
オキシトシンを増やす香りの記憶・感情との深い関係
春って香りの季節、色んな香りがします。
そのおかげで虫たちも活動開始ですねぇ・・・。
匂いはダイレクトに記憶と繋がっている
ふっと何かの匂いを嗅いだ時、ドキドキしたり懐かしさを感じたり、食べ物や食べた場所などの記憶が蘇った経験はないですか?
私はありますよ!
あっ、この匂い・・・懐かしいと思ったりドキドキしたり。
嬉しい気持ちになったり悲しい気持ちになったりと、香りはダイレクトに記憶と繋がっています。
鼻からインプットされた情報は、喜怒哀楽を司る大脳辺縁系(人間の本能的な行動・感情・記憶の脳の大切な領域)へと信号を送り、海馬や扁桃核が反応を起こす。
海馬は記憶を取り込んだり覚えることの役割を持ち、匂いを感じると過去の記憶を探しだしてその匂いと紐づけられた感情が呼び起こします。
50代の懐かしい記憶に…
廃校などになった教室をリノベーションした所に入った時、なんだか古材の匂いや油の匂いが混ざった匂いなんかした時、自分が通った小学校の油引きした時のエピソードなんか思い出したりして・・・
私の友人に
よくバナナケーキを焼いて食べてもらっていた友人が、バナナケーキの匂いを感じると私を思い出すそうです。
このように、香りが記憶と共にずっと残るのは、海馬が反応し機能したことが分かります。
記憶の貯蔵庫のような役割がある海馬は認知症とも深いかかわりもあります。
匂いから思い出される記憶には年代も関係しており、思い出される年齢が小学校時代の記憶が思い出しやすく、若年者は匂いから直近の記憶を思い出しやすいのに対し、高齢者では直近の記憶よりも昔の記憶を呼び覚ましやすい。
人の脳の発達の順序を考えると、大脳辺縁系のような古い脳から発達し、その後、新しい脳である大脳皮質や前頭葉が発達していきます。
なので、匂いによって呼び覚まされる記憶というのは、大脳辺縁系が発達した幼児期のものが多いと考えられています。
匂いによって思い出した記憶は、視覚や聴覚などの感覚によって思い出した記憶よりも、感情が呼び起こされやすい事が分かっています。
匂いを嗅いだことでその場にタイムスリップしたようなイキイキした記憶がよみがえるという特徴があるのです。
香りの記憶はポジティブな気持ちになる
匂いの研究に、匂いで思い出される記憶はポジティブなモノが多い傾向があるようです。
実際に匂いによって記憶を思い出す時に働く脳の部位は、楽しい思い出の処理にリンクした部位(側頭葉)が活性化していることが分かっています。
なので、ポジティブな楽しい気分になるために、香りを役立てることが出来るのですね。
ポジティブな気持ちや自尊心を高め、過去とのつながりを強める働きがあり、社会的つながりの感情を生み出し、楽観主義を高める作用もあるため、孤独を感じる時などに効果的なのかもしれません。
その一方で
正反対の不快な感情を誘発することがあることも理解し、注意する必要もあります。
母子の絆の深める香り
新生児はとても未熟な状態で生まれてきます。
視覚などはまだ発達の途中にあり、調節機能も十分に育っていません。
だけれども、そんな新生児でも母親の胸の匂いは、他の女性の胸の匂いと識別しています。
以前、新生児の不思議を研究した番組を見たことがあるのですが、その時は生後数か月たった赤ちゃんでしたが、
モビールに母乳を含ませたガーゼを母親のものと他人の物とを吊るし、回していたところ、母親のガーゼが回ってきた時に赤ちゃんは手を伸ばしているのです。
母親の胸の匂いは羊水とよく似ているようで、新生児はその匂いを好むようです。
そして母乳を飲むことで母親の匂いをしっかりと記憶されるのですね。
それ以後は、母親への匂いの好みより高まるのですね。
新生児にも匂いはあり、母親は識別することが出来るそうです!
新生児の匂いはいい香りがします。私は大好きで、時々嗅ぎたい症状にかられるのはおかしな現象でしょうか・・・。笑
出産後、新生児を30~40分ほど胸に抱いて授乳した母親は、そうでない母親よりも匂いを嗅いだだけで自分の子どもを正確に識別できたと研究にあるそうですよ!
(出産を控えている妊婦さんが要らしたら試してみてはいかがでしょう?)
そしてその母親の能力は高いようで、父親がこの能力を獲得するまでには、3時間弱も新生児の匂いを嗅ぎ続けないと識別できないらしいですよ!
すごい能力ですよね!
娘によく言われる話をしますが、
娘が幼児の頃、仕事で出張に出かけた時の対処法として、寂しくて寝れずいた時に、私の枕を出して抱いて寝ていたと今でも言われます・・・・。
それで寂しさが落ち着いて寝れたと。
なんか複雑な気持ちにもなる話ですが、香りは落ち着きをも与えてくれるようです。
子どもがタオルやぬいぐるみなど、自分の匂いが染みついたものを肌身離さずいるってのもこれに通じるものがあるのかもしれません。
大人になれば、
パートナーの衣類の残り香で、愛着が高まったり手助けしたい気持ちが高まったり、一緒にいた時の心地よさを思い出してくれたりしますよね。
近くに感じる・・・って言ったところでしょうか?
匂いというのは新生児から高齢者まで、安心感や快適感を高めるようです。
ストレス発散やリラックスなど、多くのポジティブな影響力があるのです。
人にはある特定の匂いによって、安心できるといった本能に近い触覚と嗅覚は本当によく似ていて、幸せな気分にしてくれるのですね。
誰もが持ち合わせている感覚は、しっかりと使う事で幸せな気分にさせてくれるのです。
今がちょっと辛いなってなった時、何か香りを嗅いでみてはどうでしょう?
嗅いで心地よい時は、何かいい記憶が隠れているのかも!ですよ。
鼻の通りを良くして準備はいいですか?